朝型人間がオールナイトに挑む理由
旅ブロガーShin Naka(なかしん)です。普段は個人でゲーム制作に打ち込みながら、LCCを駆使して海外を旅するのが好きで、このブログを書いている。
そんな私は実は超のつく朝型人間。それなのに今回、オールナイトイベント『ソニックマニア(SONICMANIA)』に行くことになった。
ソニックマニアとは、毎年夏に幕張メッセで開催されるオールナイト音楽フェスで、海外・国内の人気アーティストが集結するイベントだ。
なぜそのイベントに行くことになったのか? それは妻に誘われたからだ。
出演者には電気グルーヴやPerfume、そしてThe Prodigy。正直かなり魅力的なラインナップだ。しかし問題は、これはオールナイトのイベントだということ。しかも私は50代で、普段なら22時には就寝している超朝型人間。どう考えてもしんどいに決まっている。
さらに、チケット代16,000円あればLCCで海外にだって行ける。そんな旅ブロガー的思考から一度は断ったのだが、最終的には妻の再度の誘いに折れて行くことにした。
というのも、当日8月15日(金)は平日ではあるが、会社の長い夏期休暇の合間だった。頑張れば一時的に夜型人間に戻せるのでは? という思いがあったからだ。戻せる? そう、私は大昔はハードコア・ガバDJをしていて、夜型人間だったのだ。
夜型人間への強制シフト作戦
実際に一時的に夜型にする方法をAIのChatGPT-5先生に相談していた。先生の作戦は「前日の8月14日(木)は昼寝をして、夜は寝ずに8月15日の朝10時に寝て、夕方18時に起きる」というものだった。
私は夏休み中はゲーム制作に集中するため、アルコールを絶っていた。飲むと眠くなって作業にならないからだ。しかし、昼寝のために8月14日は飲むことにした。

行きつけの吉池食堂まで歩いて行き、瓶ビールとサバ味噌煮込み定食を食べて昼寝に挑戦。さらに蕁麻疹の薬を飲んで寝た。あの薬は一世代前の眠気の出るタイプで、よく眠れるのだ。
目を覚まして時計を見たら19時。よく寝た。成功だ! しかしここからが地獄だった。夜が更けてくると、普通に眠くなってきたのだ。あれだけ昼寝したのに、だぜ? めちゃくちゃ眠い。
Disney+のドラマ『Alien Earths(エイリアン・アース)』を観ながらゲーム制作をし、「マヂカルラブリーのオールナイトニッポン0(ZERO)」を聴きながら眠気をごまかした。

その時に描いたのが、今作っているゲームアプリのタイトル画面用の絵。Adobe Photoshopのパスで描いた。しかし眠い。
そして「上柳昌彦 あさぼらけ」が流れてきた。もう完全に朝の番組の時間だ。つまり夜を徹して起きていたということになるのだが、私には眠すぎて限界。そこでChatGPT-5先生との計画を練り直し、妥協案を出すことにした。
先生は当初10時に寝る計画を立てていたが、私は「6時で良いか?」とゴネた。もうこの地獄のような状況から一刻も早く抜け出して寝たかったのだ。最終的には先生を半ば強引に丸め込んで、6時に蕁麻疹の薬を飲んで眠りについた。
ただ、朝は家族の活動時間なので物音で何度も浅い眠りから起こされ、極めつけは宅急便のピンポン。結局まとまった睡眠はとれなかった。思い切って13時に起きることにした。細切れではあったが、時間的にはよく寝た!としておこう。
コメダ珈琲での準備と出発

13時過ぎ。コメダ珈琲店で作業をすることにした。ここのコメダにはPerfumeのあ〜ちゃんのサインがある。あ〜ちゃん詣でだ。チキンサンドを食べてソニマニに備えた。
18:30ごろに家を出て幕張メッセへ向かう予定だったので、その前に16時頃アルコールを飲んで軽く昼寝をした。これも成功で、かなり夜型人間に仕上がったと思う。
Tシャツもキャップも電気グルーヴ。完全装備で幕張に向けて出発した。
幕張メッセで始まる一夜
久しぶりの幕張メッセ。この巨大な施設でダンスミュージックを爆音で浴びられるなんて!
妻になる前の妻と、ドイツ・Bocholt市の旧空港跡地で開かれたレイヴパーティに行ったことを思い出した。あの時はエリアごとにジャンルが分かれていて、ハードコア、テクノ、チルアウト…30年くらい前の話だ。

リストバンドを着けてもらって入ってみると、あの幕張メッセが超巨大なコンクリート打ちっぱなしのクラブに変貌していた。すご。
会場では写真を撮ってもいいけど、アーティストはNGとのことなので、セット中のステージの写真などを挙げておきます。

まずはビールで乾杯し、Perfumeの元へ。

Perfumeといえば、うちの子ども達が中高生の頃、家族四人で東京ドーム公演に行こうとチケットを抽選で勝ち取ったのだが、コロナ禍で中止に。実はそれ以来のPerfumeだった。
やっと会えた。そのステージは歌もダンスも映像も完成度が高く、まるでCGのようだった。あ〜ちゃんのMC力も凄くて、場の仕切りも完璧。
そしてPerfumeを聴くと、子ども達がまだちびっこだった頃に、一緒によく聴いていた日々を思い出し、当時の姿が蘇ってしみじみしてしまった。

さて、お次は電気グルーヴ。Perfumeを観終えた群衆が流れたおかげで、前の方に陣取ることができた。
実は少し前に、電気グルーヴツアー “the”席指定の立川ステージガーデン公演を観ていたので、新鮮さという点では薄かった。だが今回は幕間のトークなしで1時間ノンストップ。最高だった。まりんも映像も、立川と同じ構成だった。
休憩中の発見と一杯のモヒート
休憩。どこからかハードめの四つ打ち爆音が響いていて、気になって目を向けると、なんときゃりーぱみゅぱみゅ。音も映像も面白そうだったが、とりあえず飲み物を探すことにした。

かつてクラブではいつもジントニックを飲むのが定番だったので探したが、見当たらなかった。仕方なくバカルディのモヒートを飲んでみたら、これがめちゃ美味い。ミントの葉が効いていて奥深い味わい。しかし一瞬で飲み干してしまい、氷だけが残った。え、もう空?と突っ込んでいるうちに、The Prodigyの時間になった。

The Prodigyの衝撃
正直、The ProdigyはXL Recordingsの頃しか知らない。大学生の頃、結婚式場の皿洗いバイトの帰りに池袋WAVEで買ったのは『Experience』や『Charly』、『Fire / Jericho』に『Out of Space / Ruff in the Jungle Bizness』といったCDたち。
最近のロック寄りのビッグビートではなく、あの頃はブレイクビーツでハードコアな感じだった。The Prodigyといえば、PlayStationのレースゲーム『Wipeout XL』のBGMまでがギリで聴いていた範囲だ。
それでも『FUJI ROCK FESTIVAL ’98 in TOKYO』のGREEN STAGE(メインステージ)で一度観たことがあったので、だいたいの雰囲気は分かっていた。しかし、やはり期待してる感じとは違った。初代ガンダムしか知らないおじさんが、最近のガンダムがわからないと言ってる感じとでも思ってくれ。

一方で、ステージのセットや照明、映像やライブカメラのノイズが最高にカッコよくて、「世界観を大事にせよ」というメッセージを受け取った気がした。諦めかけていた最後に『Out of Space』が来た時は、青春が蘇った。
ただ、右腕からバニラの香りが取れない。洗面所で何度洗っても落ちない。近くでドリンクを持ったまま踊り狂っていた人がいて、ドラムのビートが来るたびに液体が飛び散り、そのたびに腕にかかっていたのだ。しかも浴びてからしばらく時間がたってから洗ったので、皮膚に染み込んでしまったのだろう。
その後は、The Prodigyを観終えた大群の一人としてエリアを移動。みんな同じ方向へ向かうので進みがのろのろになり、ようやく砂原良徳(まりん)のブースに着いた頃には、もう終わりかけだった。
まりんのあとサマソニのグッズ売り場に行ってみたが、すでに販売は終了していた。いやいや、少なくともイベント開催中は売ってくれよ。
深夜のザンギとGESAFFELSTEIN

腹が減り、食料を求めて歩いたが、落ち着いて座れる席がなく、地べたでザンギとビールにした。普段はわりと健康的な食事をしているので、こういう夜中に唐揚げとビールを流し込むのがまた良いのだ。
すでにフランス人アーティスト『GESAFFELSTEIN(ゲサフェルスタイン)』のステージが始まっていたので、急いで戻ることにした。
フロアに入ると、映像なし・照明主体のシンプルな構成。シルエット演出で、高台に機材、長いサボテンのような柱(スタンド?)の間に、メタリックな顔の人物が姿勢良く立っている。そして映画『ブンミおじさんの森』に登場する精霊のように、シルエットに目だけ光ってた。かっけー!
そこから放たれるのは、ひたすらミニマルでハードな音。だんだんと熱を帯び、最後はBPM爆上げ。最高だった。今日一番良かったかもしれない。ザンギなんて買わずに、最初から観るべきだったが…お腹はすくもの、人間だもの。
夜遊びの反省点と次回へのヒント
久しぶりの夜遊び。対策が甘かった部分も多い。
- 時計は盤面の光るタイプ(例:G-SHOCK)にすればよかった。iPhoneはもみくちゃの中で取り出せない。
- HOKAの靴は疲れにくく正解。ただし踏まれまくるので、白は不向きだった。
- フロアでは飲み物をかぶる可能性があるので、黒いTシャツで正解だった。
- バッグは充電器くらいしか入っておらず不要だったかも。コンビニで買った水も大きすぎ。そんなに要らなかった。
- クロークは遠いので結局バッグで良かったのかもしれない。
- そして…オールナイトイベントも、たまには悪くない。
- 50代でもオールナイトはまだいけそう。大事なのは装備と体調管理。
- 60代になったら、無理せずプラチナチケットを使うのもアリ。ステージ前方の専用エリア、ラウンジや専用トイレ、クロークやグッズ専用レーンなどが揃っていて、体力を温存しながら快適に楽しめる。
回想。ステージ上でThe Prodigyの人が「〜Tokyo!」と叫んでいたが、ここは千葉。あらためて、千葉は遠いよなと思いながら帰った。